歯が痛い

歯が痛い
歯が痛い  
歯が超痛い!!


歯の存在感が日に日に増していく
そんなに自己主張しないでよ
普段ないがしろにしているといったって
いくら我慢の限界だとしても
いやはや我慢の限界は私です


歯が痛い
歯が痛い
歯が超痛い!!


世界中の痛みを私が一身に請け負っている
それはむごいというものです


歯が
歯が
歯が…
痛いのです


そこへ神の手を持つ男の登場だ
汝の名は歯医者さん


この苦しみを勇敢にも引き受けて
果敢に挑む
この男はけっこう手厳しい
荒っぽい
おお痛い
もっとも神とはそういうものだろう
「耐え忍べ」と語りかけてくる


神の手を持つ男
汝の名は歯医者さん

お引越し

お引越し
この慌しさ
ちょっとした高揚感
だんだん出てくる疲労感
帰らぬ一方通行の日々が
重い荷物と一緒になって
ずっしり心に染みわたる


あの日々はどこへいってしまったなどと
詩人ぶってみても
重い荷物は軽くはならない


引越し
引越し
お引越し
何ともいえぬこの響き


「え、もう終わりですか」
「いえいえ、まだまだこれからですよ」

もう一息

梅の花
寒さに耐えて
夢開く

母の声

母が他界してはや四年
時の流れの無常さとはかなさ
過去に留まることを許さない現実
持てない未来への希望


でも傍らで母が静かに笑っている
そんな感覚が日増しに増殖する


形ばかりで心が伴わない親孝行
帰省の時いつも駅まで迎えに来た母
別れの時いつまでも見送り続けた母
病弱だった息子を祈り続けて救った母
家出した息子に厳しさを失わなかった母
八十歳を過ぎてもあわれな息子に
一万円札を握らせた母


でも傍らで母が静かに笑っている
「今度こそほんまの親孝行しいや…」

沙羅さんへ

ダメ ダメ そんなに強張った顔で…
緊張感丸出しですよ…
肩の力を抜いて 顔の筋肉をほぐして
「老婆になるまでには記録達成しますよ」
「ワッハハハーーーー」と大笑い
そしたら…
次の日は 大ジャンプ!!
間違いなしです