加齢への自覚

     行きつけのコンビニには
     顔なじみの店員さんがいる
     彼はいつも私を見ると
     顔いっぱいの笑顔で迎えてくれる
     そして私のことを名前で呼んでくれる
     ヘビーユーザーとしての喜びはひとしおだ
     ところがである
     今日もいつも通りの笑顔で迎えてくれたあと
     私に「おじさん」と呼びかけた
     「お・じ・さ・ん……?」
     加齢への自覚は思わぬところからやってくるものだ



正義という棍棒

   相手が悪いのは一目瞭然
   スポーツマンシップのかけらもない暴挙に
   一億総怒り心頭の様相だ
   確かにその通り
   そんな奴は戦いのフィールドから出ていけ
   当然である
   だけどなぁ
   それに乗じてあなたも私も正義という棍棒を振りかざす
   リンクにダウンした敗者のうえに
   さらに乗っかってパンチを繰り広げる
   二度とリンクに戻って来るなよと言わんばかりに
   それって何かいやだなぁ



永遠になった応援歌

   逝けばすべては美談になる
   それはそれでいいのだ
   個人的には昔から
   そのカバー曲には違和感を持っていた
   でも多くの日本人を励まし続けたことも事実
   原曲の意味や理屈など本当はどうでもいいのだ
   目の前の人に生きる勇気と希望を与えられること
   それがすべてさ
   かくいう私もそのひとり
   もうこれ以上は無理と思いつめた時
   部屋の電気を消して歌って踊ったっけ
   暗闇の中からどこからともなくやってきた光の束
   そして我が体内からあふれ出たエネルギー
   そこには彼がいた
   これからも歌い続けてほしい
   逝くことによって永遠という力を手に入れたのだから