道行く人

　　道行く人をチラリと見る 　　疲れた横顔が多い気がする 　　早朝から目的地に向かう人々 　　希望に溢れている人はあまりいない 　　道行く名も知らない人々 　　一瞬の出会いで二度と会うことはない 　　一期一会 　　心の中で手を合わせエールを送る

地球人

　　　街頭からもれる声は 　　　日本語でない率高し 　　　恐るべし我ら地球人

魔の手

　　あちこちの飲み屋さん 　　あの手この手で家路を阻む 　　この魔の手に勝てるはずもなく 　　ちょっと一杯がはしご酒 　　今夜も老若男女が気勢を上げる

はや９月…

　　　新幹線や飛行機は 　　　やはり早い 　　　まるで人生みたいだ 　　　はや９月…

「ハレ」と「ケ」

　　「ハレ」と「ケ」 　　非日常と日常 　　日常を大切にするからこそ 　　輝く非日常 　　「ハレ」が終わると「ケ」の日々 　　また平凡な毎日かなどと言わず 　　心次第では毎日が「ハレ」となる 　　日常の中に非日常を持ち込もう 　　一瞬一瞬が「ハレ」となる

流血事件

　　鏡に向かって後ろ髪を切ろうとするが 　　何と難しきかな 　　悪戦苦闘　神業とはいかず… 　　切ったのは髪ではなく我が耳の肉片 　　とんだ流血事件発生 　　今日の前途はいかに 　　まあいいか 　　そんなことも楽しく思える 　　不器用な吾輩のひとこま

通過儀礼

　　　七五三 　　　入学式 　　　卒業式 　　　成人式 　　　結婚式 　　　還暦 　　　米寿などなど 　　　そして 　　　お葬式 　　　すべて通過点 　　　すべてそこから 　　　すべてが始まる 　　　新しい扉

豪雨

　　　真夜中の豪雨 　　　大地にこだまする雨音 　　　恐ろしさが全身を貫く 　　　太古への道がぽっかり開け 　　　引きずり込まれていく

寝顔

　　あまりにも美しい 　　あなたの寝顔 　　一瞬　 　　時が止まったように 　　私は硬直する 　　すべてが排除され 　　物音もしない 　　私とあなただけの空間 　　その美しさは 　　死人を連想させ 　　私は硬直する 　　あなたの魂は何処へ 　　永遠であれ 　　私とあなただけの空間