鈴虫

  酔っぱらいは
  大の字になって
  布団に倒れこむ
  静まり返る暗闇に
  突如侵入してきた
  鈴虫の微かな響き
  密かに侵入する秋を
  控えめに侘しく歌う
  余命わずかを生きる
  心に染み入る同胞の声