不快な思い

  毎朝早くから
  駐車場で
  一人黙々と
  バスケットボールを
  打ち続ける人がいる
  静寂の中で規則正しく
  拡散する音
  もう少し寝たい気持ちを
  かきむしり
  冷たく鳴り響く
  やめてくれ…
  君のやっていることは周囲に
  迷惑をかけている
  そう訴えたいけれど
  彼の真剣な表情を見ていると
  とても言えそうにない
  おそらく出勤前のひとときを
  自分に課しているのだろう
  人は知らないところで
  他人に不快な思いをさせている
  きっと俺だってそうなんだろう
  そう思うとますます何も言えない