黙礼

  毎朝
  決まった時間に
  雨戸を開ける
  名も知らぬお婆さん
  今日もいつも通り
  せっせと雨戸を開ける
  その背中には
  数知れぬ過去を
  一人でしょっている
  毎朝
  決まった時間に
  そこを通過する私
  今日もいつも通り
  その背中に黙礼する