別の世界

  父や母
  そして兄
  別の世界で暮らす
  私もぼちぼち
  そちらの世界へ
  行ってもいいですか
  そう甘えてみたい朝
  私一人が取り残された世界
  悪くはないけど終わりもない
  涙をぬぐってもまた溢れだす


  父や母
  そして兄
  別の世界で暮らす
  私もぼちぼち
  そちらの世界へ
  行ってもいいですか
  呼びかけても
  呼びかけても
  返事はない
  
  いえいえ
  返事がないのは
  まだまだ早いという証拠
  やり残したことはあるだろうか
  その問いかけに
  次の季節を匂わせる風が一筋
  首筋を温めて無言で吹き抜けた