病院

  また今年もやってきた
  死んでないことを確認するために
  死んでないことを確認する手続きは
  やけにシスティマティックだ
  やさしい笑顔あり
  こわい脅しあり
  来年も来られるだろうか
  死んでさえいなければ
  この場所は好きではないが
  なぜか、心やすらぐ…

何となく4首

「今度こそ よせばいのに 宝くじ」


「イケメンと いい人いつも 金がない」


「我が稼ぎ、電光石火 妻の手に」


「マイ御殿、金はないけど 愛はある」

歯が痛い

歯が痛い
歯が痛い  
歯が超痛い!!


歯の存在感が日に日に増していく
そんなに自己主張しないでよ
普段ないがしろにしているといったって
いくら我慢の限界だとしても
いやはや我慢の限界は私です


歯が痛い
歯が痛い
歯が超痛い!!


世界中の痛みを私が一身に請け負っている
それはむごいというものです


歯が
歯が
歯が…
痛いのです


そこへ神の手を持つ男の登場だ
汝の名は歯医者さん


この苦しみを勇敢にも引き受けて
果敢に挑む
この男はけっこう手厳しい
荒っぽい
おお痛い
もっとも神とはそういうものだろう
「耐え忍べ」と語りかけてくる


神の手を持つ男
汝の名は歯医者さん

お引越し

お引越し
この慌しさ
ちょっとした高揚感
だんだん出てくる疲労感
帰らぬ一方通行の日々が
重い荷物と一緒になって
ずっしり心に染みわたる


あの日々はどこへいってしまったなどと
詩人ぶってみても
重い荷物は軽くはならない


引越し
引越し
お引越し
何ともいえぬこの響き


「え、もう終わりですか」
「いえいえ、まだまだこれからですよ」

もう一息

梅の花
寒さに耐えて
夢開く