お金の話

   お金に執着しすぎることはあまりにも見苦しい。ゴーンさんの
  事件はその最たるものであった。成功と幸福は違うということを
  つくづく感じる。たとえ、お金がなくても笑いの絶えない温かい
  家庭は、たくさんあるが、お金があっても笑いの絶えない温かい
  家庭もきっと多いことだろう。お金がなさすぎると生活にゆとり
  がなくギスギスすることも多い。まあ、いずれにせよお金が悪い
  のではなく、それを持つ人間の心次第ということだろう。お金が
  あるにこしたことはない。でも、お金に執着しないで人への思い
  やりや優しさを最優先して生きる。そんな心構えが最適ではない
  だろうか。
   私の妻は驚くほどお金に執着心がない。以前、昔の友人が訪ね
  て来て「お金に困っているから貸してほしい」と申し出たらしい。
  それを聞いた妻は、どう困っているかもろくに聞こうともせず、
  その場で10万円をポンと渡したというのだ。私はその話は怪しい
  と言い寄ったが、全く気にする様子はない。結局、案の定、その
  お金は返って来なかった…。私は、未だに妻の軽はずみな行動を
  悔やんでいるのだが、当の本人はそのこと自体忘れているように
  見える。何という人でしょうね。まったく…。
   「金は天下の回りもの」とはよく言ったものだ。いつの日か、
  10万円が巡り巡って倍になって戻ってくるでしょう。…かな?